田代陽子監督 / 作品紹介
最新作〈撮影中〉
長野県・信級(のぶしな)を舞台に映画を撮ることが決まりました。きっかけをつくってくれた植野さん夫婦が大事にしていること、目指していること、それを撮っていったら、その先の明るい未来が見えてくる気がしています。
風のたより〈2015〉
2011年3月11日。この日がきっかけで、今を記録しようと撮影を始めた。今をどう生きているのか。縁ある人たちを訪ねて歩いていった。
山形国際ドキュメンタリー映画祭2017
アジア千波万波部門上映作品
空想の森〈2008〉
7年という月日の中で、撮影隊が被写体の人たちと向き合い、映画にすくいとったものは、土の上で働く人の姿。日々の何でもない日常が妙に愛おしく、夢中で撮影した北海道・新得で暮らす人たちの物語です。
日々のこと
2021年11月14日 晴天。
9:30 明石家へ。新しい家で記念撮影。
すっかり信級の住人になった明石家。
そしてよし子さんの家へ、ご挨拶。
これから孫が来るとのことで、ウキウキしていた。
清誠さんの家へ。
「こんにちはー」と言っても反応ない。
テレビの音は聞こえてくるので、玄関を開けた。
それでも反応ないので茶の間のドアを開けた。
すぐそこにいるのに気がついてくれない。
何回か叫んでようやく気がついてもらえた。
記念撮影をおっけいしてくれたので早速玄関前で撮影。
小一時間くらいおしゃべりをした。
家の前の畑で石をとっていたさだ子さんにご挨拶。
かたつむり食堂へ。
昼ごはん。
高桑さんも手伝いに来ていた。
宮平のカツミさんの家へ記念撮影のお願いに行ったが留守だった。
残念。
14:30 植野家へ。記念撮影。
子供らの習い事あったりしてやっと最終日に撮影できてよかった。
イウラちゃんもいっちゃんと植野家にやってきた。
兼備さん、喜美枝さんも畑仕事をやりに出てきた。
子供らは道でサッカーボールを蹴って遊び、大人たちはおしゃべりしていた。
老夫婦は畑仕事。
なんかいい風景だなあと思い、
私は石仏めぐりの山道を少し登り、
ロングで撮影を始めた。
遊ぶ子供の声。
畑仕事をする兼備さんご夫婦。
悦子さんも通りかかってかおりさんやイウラちゃんと立ち話を始めたり、
岩下の日常。
今度は山道を降りて近くで撮影。
仕事を終えて帰る時、
「明日帰るのかい。寂しくなるね。またいつでも寄ってお茶でも飲んでいって」
と喜美枝さんが声をかけてくれた。
私はとてもとても嬉しかった。
そしてさぎり荘で風呂に入った。
体は疲れているけど、いい疲れだ。
それよりも充実感の方が優っていた。
柳久保に帰ると、西川一家も来て最後の晩餐。
これから信級でやりたいことなどを大いに語った。
いい夜だった。
2週間、素晴らしい撮影ができて本当に嬉しい。
関わってくれた皆さんに感謝。
目一杯やり切った充実感を感じながら信級を後にした。
今回が最後の撮影と思ってやったが、
まだ一度も撮ってない春のお祭りを
もし開催するのであれば撮りに来たいと思った。